ナースのための臨床薬理
β-ブロッカー(β-blocker)—新しい抗不整脈剤
橘 敏也
1
1聖路加国際病院内科
pp.4
発行日 1966年10月1日
Published Date 1966/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912891
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1899年,Ehrlichは生体の細胞には,特別な側鎖receptorがあって,それと薬物が結合することによって,それぞれ固有の薬物反応が起こされるという仮説を提唱した。この考えを裏づけるように,Daleはアドレナリン(エピネフリン)の薬理の作用を研究中,アドレナリンに反応する細胞には,二つの異なった—すなわち一つは刺激的(excitatory)な反応を起こし,もう一つは逆に抑制的(inhibitory)な反応を起こしてくる—二つの種類の反応部位すなわちreceptorがあることを裏づけるような実験結果を得て,Ehrlichのreceptor説を支持した。
そしてAhlquist(1948年)はアドレナリン作働性細胞の刺激的なreceptorに対しα-receptor,抑制的なreceptorに対しβ-receptorとよぶことを提唱した。
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