戦後20年記念「ナースの手記」佳作一括収録
2 戦争と看護
竹内 愛子
1
1宇和島社会保険病院
pp.91-93
発行日 1966年8月1日
Published Date 1966/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912849
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長崎,広島の原爆の記録,病院船や第一線にあって,自己の生命をかけて戦った従軍ナースの記録,空襲の被害を受けた銃後ナースの手記は数多いと思います。それらに比べ,結果的には爆撃の傷あとも残さない京都市にいた私の戦争経験は,とるに足りないものであると思います。しかし戦争があった事実,敗戦までの生活過程,敗戦後のナース生活の一部分なりとも,平和な今日の若い方々の日常生活と比較して考えていただくことができるなら,むしろ戦争が身近にあったことを感じてくださるのではないかと思います。
戦争が今のあなた方の生活をどのように変化させるか。そこから悲惨な被害を受けた先輩や,生命をかけて御苦労なさった方々の手記の真実を理解してくださるに違いない。その意味でつたないこの手記が多少でも役だてば,こんな喜びはありません。
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