コンタクトレンズ(61)
戦争と手記
長谷川 泉
pp.54
発行日 1965年10月10日
Published Date 1965/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203485
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戦後も20年,もはや戦争というものをまったく知らない世代が20歳にもなったと思うと感慨の切なるものがある.日本の近代は,ほとんど10年おきくらいに戦争をくりかえして来た.日清,日露,第1次世界大戦,そして日支事変から第2次世界大戦へといった進展である.
わけて,第2次大戦は,本土が直接の戦場になり,学徒出陣のことなどがあって,国民の全年齢層にわたって,戦争というものの傷痕を残した.私たちの世代は,大学もくり上げ卒業し戦場に追いやられた暗い谷間の時代を体験した.今でも,クラス会をやると,クラスのうちの何人かは,いたましい戦争の犠牲になって欠けている.
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