看護キャンパス
実習に悟る
日比野 路子
1
1華頂短大
pp.46-47
発行日 1966年7月1日
Published Date 1966/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912799
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楽しく充実していた「実習」
私どもの学業の特徴として,実習は非常に大きなウエイトを置かれていた。1年の時は教室での授業が主で,2年,3年は実習に主体がおかれて,教室の授業は少なかった。それが4年生になると,個々の希望の専門コースに従って臨床を主としての授業だったり,公衆衛生のコースを主として勉強したりした。
このカリキュラムは,非常に上手につくられていたことが,現実に短大の学生のカリキュラムをいじりまわす者となってみて始めてよくわかった。たとえば,小児科学の講義がすむと,小児科外来,小児科病棟の実習が始まる,栄養学のあとにはキッチンの実習があるという具合に,学問の裏づけの実習として実習が生きるし,学んだ講義内容は,新鮮なうちに現場にもちこまれて,イヤでも身につくように配慮されていたのである。学生数などが丁度このカリキュラムを動かしやすいようにできていたこともあろうが,すべての「学び」には,この学び行なうことのくり返しの大切さは,忘れられてはならないと思う。
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