ナースのための臨床薬理
近頃の薬物による中毒の種々相
橘 敏也
1
1聖路加国際病院内科
pp.4
発行日 1966年6月1日
Published Date 1966/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912755
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医療行為がもとで起こる病気—医原性疾患Iatrogenic disorders—が近頃とみに問題となってきた。これは近代の医療が生んだ1つの歪みである。助かる代わりには失う面も大きくなったというわけである。このことはとりわけ近頃の薬物療法に著しい。以前に比べ,作用のより強い,より特異性の強い薬物が十分な検討を待たずに,矢つぎ早やに現われるからである。
薬物中毒の性質,内容は,薬物の性質用い方,投与を受ける生体の側の条件によってさまざまであろうが,ここでは,近頃の臨床に用いられている薬物でとくに問題となるものを挙げてみた。
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