カラーグラフ 皮膚病変のみかたとらえ方
薬疹の種々相
石川 英一
1
,
田村 敦志
1
,
石川 治
1
1群馬大学医学部・皮膚科
pp.892-893
発行日 1985年5月10日
Published Date 1985/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219763
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医薬品または類似物の不適合反応(adverse reaction)として生ずる薬疹は,大別して急性(発疹)型と慢性(沈着)型とに分けられる.本文では誌面の都合上,急性型に限って述べ,慢性型については,別の機会にしたい.
滲出性紅斑型 注射,内服薬で生ずる場合,皮疹は通常紅斑の形をとる.したがって急性型の薬疹では多くの場合粟粒大から貨幣大までの紅斑,斑状丘疹が広範囲に播種状に生ずるものや,より大型の扁平隆起性の滲出性紅斑が多発する(図1).各種抗生物質,ピラゾロン系剤,サリチル酸剤,サルファ剤,PAS,クロロチアジド,バルビタール製剤,INH,メプロバメート,クロルメザノン,アロプリノール,ヒダントインなどで生ずる.さらに重症型ではいわゆる皮膚粘膜眼症候群あるいは紅皮症の状態となる.特殊な臨床型として金剤によるものでは,後日落屑が顕著となり,一見ジベルばら色粃糠疹または乾癬と類似する(図2).
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