特集 看護婦の勤務と生活の合理化
第1部 職場の能率をあげるために
Ⅱ看護用具の工夫と夢か
患者を安楽にする用具について
福島 和子
1
1虎ノ門病院外科病棟
pp.37-39
発行日 1961年6月15日
Published Date 1961/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912525
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看護用具の良否が毎日の看護の能率はもちろん患者の苦楽を左右することは,周知の通りであるが,なお積極的な工夫の余地あることを,障害物に当面するたびに痛感している。ことに近年のように,ステンレスおよび合成樹脂など,化学製品の目ざましい発展は,われわれの考案による希望にも業者が懇切に応ずるため,各方面よりの優秀な作品が,活発に発表されているが,より一層努力して平素の夢を実現していきたい。
1.洗面介助に備えて
魔法瓶およびポットなどを持参したときには,これをベッドサイドに備えて,長ストロー(ビニール管を適当に切る)を差し込み,随時飲用含嗽などを行なわせ,これをベッドサイドより,ややベッド上に向けた,ロート型のプラスチックに尾のついた容器に吐き出させ,下に貯溜瓶を備えるが,出来れば排水装置に連絡すれば,消化器および咽喉の術後患者,飲水不能者などには便利であろう。これも理想とするところは,ベッドの上方に,いずれにも屈曲自在な温冷蛇口が,ボタンを押すだけで口腔内へ流出し,吐出後もボタンによつて清浄化する。なおおしぼりも手術室の消毒刷毛のように,次々と出るような仕掛になつていて,あたかもベッドが,耳鼻科や歯科などのユニット形式のものを備えていたら素晴らしいと思う。
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