特集 看護婦の勤務と生活の合理化
第1部 職場の能率をあげるために
Ⅰ職場環境をどう整えるか
夜働く人の健康—昼間の休息や食生活などに関連して
小泉 明
1
,
深山 智代
1
1東京大学医学部公衆衛生学教室
pp.30-32
発行日 1961年6月15日
Published Date 1961/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912522
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生体のいろいろな機能は,昼は活動にそなえて亢進し,夜には低下して休息をとり疲労の回復をはかるという変化を繰り返している。体温,脈拍,血圧,炭酸ガスの排出量,血液中の成分,胃腸管の運動,脳の働き,尿の排出量などのすべてに,この昼と夜の変動が認められている。
このような生体の生理的変動は比較的安定したものであつて,夜業を連続して行なうために昼は休息をとり夜働くという具合に生活が逆転しても,これによつて生ずる生体の側の変化は徐々にしかあらわれてこない。従つてそこには大きなずれが生じ,そのために生体の負担が大きくなり,疲労が蓄積されて,人体に悪い影響を与える。この影響の程度は婦人や年少者ほど大きい。
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