想園
二人の看護婦
小野 芳枝
1
1国立栃木療養所
pp.71
発行日 1964年9月1日
Published Date 1964/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912372
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私はつい最近,明るい話題と,暗い話題になる二つのことに直面しました。過日「看護学雑誌」にも取上げていただいてますが,庭球で大腿骨骨折をし第一回目のギブス固定(オペも含む)がうまく行かず,大手術を受けた当時の事を書いたのですがその妹があれから何回かの大手術を受けて,最近再び国立病院にて手術を受けることになったのです。
ところが入院手続のために私は,勤務を交代して当日病院に伺ったのですが,私が書類を出してこれをお願いいたしますというと,その看護婦は顔も上げず,これは何ですか,これじゃわからないですよと,まったくケンもホロロの口調です。入院なんですけどというと,入院なら入院とはりきりいったらいいでしょう。黙っていてはわかんないですよと,まるで小学生にでもいうような態度です。しかもれっきとした看護婦です。私はあまりの口調に,まったくオドロイてしまいました。しかし病院慣れしている私は,多分虫の居所でも悪いのかなあと思い,どこの病院にも一人二人はこんな人もいるものだと思いながら,その場は黙って帰って参りました。
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