想園
待合室/私は看護婦1年生
作田 貴美子
,
矢吹 澄子
1
1専売公社東京病院
pp.64-65
発行日 1964年6月1日
Published Date 1964/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912276
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私は,最近つづいて,3, 4か所の病医院の待合室にクランケとして待つ経験を持ち,最近の医学の進歩のめざましさにつれて,どんどん,改良されている中で,待合室は昔とほとんど変わらず取り残されているような気がしてならない。健康でない人たちが不安を持って待つ待合室ほど,いちばん設備をよくしなければならないのではないだろうか。
冷暖房のある大きな病院ならいいだろうが,この頃のように寒い季節でも,火ばちか,よくて石油ストーブである。冷たい長椅子と,古くなった雑誌が隅の方に置いてあり,肌寒いところで2時間でも3時間でも不安といっしょに待たされる。相当に苦痛ではないだろうか?病院はクランケがいちばん安心していられるところでなくてはならぬと思う。時には気分が悪くて横になっていなければならない人,疼痛のある人,吐きたい人もいるだろう。
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