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寒い待合室は考えて欲しい
H E
pp.16
発行日 1949年12月1日
Published Date 1949/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541210232
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病院の待合室はわびしい。殺風景なザラザラした多くの病院の待合室は,よけいにこの感じを深くする。重態な病人をつれこんで待合室で待たされる時間の長いこと。又熱のある子供に出来るだけ着ぶくれさせて待っている間の長いこと。特に寒い季節になれば,わびしい心をかきたててトゲトゲした気持にさせる。田舎の病院などで,汚い火鉢の残り少い火をかきたてゝ待っている間の寒いこと。よく炎った蒼白い顏,細い休が細い手を差し出して少い火をかこんでいる風景がよくあるのであるが,いちまつの淋しいスケツチではある。
病院にゆけばまず受付から待合室まで第一の印象が焼きつけられるのであるから,待つ身になってその設計なり,そのサービスなり考えて欲しいものである。
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