憧鉄雑感
第139回 万斛なる我が待合室広告
安部 正敏
1
Masatoshi ABE
1
1医療法人社団 廣仁会 札幌皮膚科クリニック
pp.1737-1737
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000004217
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広告媒体としての公共交通の価値は高く,巷にあふれるラッピングバス・タクシーはもはや当たり前の光景となった。しかし,気になるのは鉄道の伝統ともいえる中吊り広告の不景気による減少である。首都圏の電車ですら空きスペースが散見され,筆者にとっては日常診療で誤診する以上に悲しい。但し,誤診は筆者において日常茶飯事であり,さほどの悲壮感はない。近年出版不況も手伝い下品な週刊誌広告などは激減した。広告の掲示場所においても広告費に差があり,一世代前の一等地は芸能人ゴシップ満載であった。ちなみに,詳細は知らぬが今は昔,大物俳優の不倫を週刊誌記者がすっぱ抜き本人を直撃したところ “ああ,そうだよ” とあっさり認めてしまいスクープにならなかったという。ともあれ,電車内の中吊り広告は下品とレッテルを貼られるものも多かった。
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