統計
がん患者
西 真楠
1
1厚生省統計調査部
pp.1
発行日 1964年6月1日
Published Date 1964/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912260
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昭和35年に第二次悪性新生物実態誰査が行なわれた。この調査は人口密度が全国平均なみの宮城,石川,山口,熊本の4県を選び,県下の全医療施設(歯科診療所を除く)が昭和34年の1年間に扱った悪性新生物(以下「がん」という)患者を調査したものである。これによると,がん患者は人口10万対の率(仮に患者率という)で男164.0,女186.3となっている。なお,全国でみた同年の人口10万対がん死亡率は男107.7,女89.0であった。患者と死者についてがん発生部位別構成をみると第1図のごとくである。また,発生部位別のがん死亡率の年次推移は第2図のごとくであり,率は低いが呼吸器・泌尿器,造血器のがん死亡の激増は注目される。最近15年間の死亡率の改善は著しいが,がんの決定的治療方法が発見されない限り,今後,死亡率の劇的な改善は望めないといわれている。
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