統計
出生と死亡
西 真楠
1
1厚生省統計調査部
pp.1
発行日 1965年2月1日
Published Date 1965/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661913492
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わが国における出生率と死亡率はすでに1920年(大正9年)ごろから低下しはじめており,戦争さえなければそのまま低下を続けて,やはり昨今の低率になったものと思われる。図示した欧米諸国は,いずれもわが国より先に低下をはじめており,出生率では戦前に極小を示して再上昇の気配をみせ,また,死亡率は戦前に相当の低下をみせたので,戦後は余り目立った下降をみせず,最近ではかえって上昇の傾向さえみせている。そのため,日本と比べると,戦前では出生率,死亡率ともに日本が高率であったが,最近では出生率はトントン,死亡率は日本の方が低率となった(死亡率は人口の年齢構造の差が大きく響いている)したがって,日本の自然増加率はまだ高率の方である。なお,国により在外軍人の死亡の扱いがまちまちであるので,とくに戦時の死亡率をみる際には注意を要する。
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