特集 ナースと共働き
共働き夫婦の記録—職業と家庭の両立
前原 秀子
1
1那覇病院
pp.17-19
発行日 1964年3月1日
Published Date 1964/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912170
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私と夫は,私の看護学校卒業を待って,すぐ結婚する計画だった。私もまだ独身の青春を楽しみたいという気持があったし,その上,小学校から看護学校まで合計すれば15年もの長い間私に学校生活を送らせてくれた老いた両親のために,少しは尽くしてやらなければいけないのではなかろうかという気持もあった。
しかし結婚後の女もできるだけ職をもつべきだという夫の考え方は,私の希望とまったく同じであったし,夫の両親が当時,八重山の琉銀支店に行っておられて,那覇(ナハ)に2人だけでは少し広すぎる住宅があったこと,それに加えて,私の父が「女が仕事をもつと結婚の機会を逃がしがちだから,親にとってはその方が心配だ。いま結婚したいという男がいるならすぐそうしなさい。そのかわり金は何も出してやれないよ」といってくれたことが私を結婚にふみきらせてくれた。
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