特集 ナースと共働き
共働き論
上坂 冬子
1
1思想の科学研究会
pp.14-15
発行日 1964年3月1日
Published Date 1964/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912168
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つい先だって同じような二つの事件に出くわした。
一つはこの間のことである。私は現代日本の働く婦人の実態をいろいろな角度からとらえた『私のBG論』(三一書房)という著書を出版したのだが,その本が発売されてから約3日たった朝,速達で読者から感想が送られて来たのである。そのあと,1週間目ぐらいから,今度は日にかならず5〜6通ずつあれよあれよという中に読者からの手紙が舞いこみ,またたくうちに私の書粛のすみは葉書や封書の山ができてしまったのである。といっても,これはかならずしも私の本がすぐれておもしろくかけていたからではない。つまり,私はその著書の基本に,BGからでも,努力しだいでなれる専門職について《手引き》をつけ加えておいたからなのだ。たとえば,BG生活の余暇を活用してどんな特技が身につけられるか,とか,BG生活と両立させながら夜学へ通えば,どんな資格がえられるかとか,いくつもの具体例をのべておいたのだ。私のところへよせられた手紙の大半は,この《手引き》に対する問い合わせだったといってよい。
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