特集 ナースと共働き
共働き夫婦の記録—子どもはほしいけれど
前坂 外喜子
1
1京都府立医科大学付属病院
pp.16-17
発行日 1964年3月1日
Published Date 1964/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912169
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振り落とされそうな震動と,ハッ!と瞬間胸のさされるような驚きに目がさめ,バックの中をひっくり返すようにして定期入れを取り出し,人垣を押し分けて市電を飛び降りた。疲れ果てた体はコンニャクのようで何を考える気力もありません。きょうも8時間寸時の余裕もなくかけ回ったためか,かかとに鈍痛を感じます。ヒールに50キロの重みを交互にささえて,ようようにしてわが家にたどり着きました。
今春結婚して共働き生活7か月,看護婦と結婚の両立のむずかしさを身にしみて感じております。看護婦不足の中でそのシワヨセが私たちの労働を強化させ,融通のとれない少人数からなる勤務体制が,生休どころか,少々の病気では休みの取れない現状なのです。
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