特集 ナースと共働き
共働きと育児
平井 信義
1
1お茶の水大学
pp.35-38
発行日 1964年3月1日
Published Date 1964/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912177
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
《共働き》—まずこのことばの持つ意味から考えてみましょう。このことばが《共稼ぎ》に対することばとして用いられるようになったのは,数年前の小児保健学会で合屋氏(九大小児科)が講演された時からだと思います。その時,私は,適切なことばを作られたと感心したものです。その時以来,私は私なりの意味を加えて,《共働き》ということばを用いるようになりました。
それには,こういう意味があるのです。すなわち《共稼ぎ》は,主として経済的理由により,職業に対する自覚も薄く,むしろ働かなければ生計が保てないので働いている主婦のことを頭においているわけです。もし,生計が夫の給料だけで維持されるならば,家庭にあって家事や育児に専念したいと思っている婦人といってもよいのでしょう。その中には,家事や育児に生きがいを見いだしている婦人もありましょうし,従来のしきたりに従っているだけの婦人もありましょう。
Copyright © 1964, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.