想園
結核療養所に賭けた青春
山本 比瑳子
1
1国立療養所東京病院
pp.69-70
発行日 1964年2月1日
Published Date 1964/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661912153
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結核療養所の外科病棟に勤務して1年というより,学院を卒業して1年を迎え,改めて結核看護の重大さを,一患者の死に直面して,痛感したしだいである。
卒業当時24名のクラスメートが,母校へのなごりを惜しみつつも,ひとりひとり都内の総合病院へ,また地方の病院へと散ってゆく姿を,いつもバスの停留所まで見送り,友だちのひとりひとりから感じられる未来への大きな期待と,希望。それに比較して自分はこれから,この朽ちかけた療養所の病棟と,斜陽化されつつある結核看護に対し,いったい何をしようというのか。また何を期待すればいいのか,スタートラインに立った時すでに迷った。
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