みんなで考えよう—医師と看護婦の関係
必要なことはナースもどしどし発言を/何よりも看護婦の本務を
井上 ユキエ
1
,
新藤 信子
2
1九州厚生年金病院
2神奈川県立心身障害者更生指導所
pp.14-15
発行日 1963年6月1日
Published Date 1963/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911945
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医師と看護婦の関係について
標題についてのアンケートをいただき例1および例2を拝読いたしました。文面だけであの問題をじゅうぶん理解することはむずかしいと思います。私自身が正確に問題を解釈しているかどうかわかりませんので批判することはおこがましいと思いますが,私は私なりに医師と看護婦の関係について述べて見たいと思います。一つの問題とくに感情問題が起こるには複雑なものがあり,ことに平素の両者の人間間係がうまく行なわれているか否かに大きな関係があります。いずれにしても医師と看護婦のよい人間関係が保たれていることが,よい仕事のできる第一条件であります。医師も看護婦も1日も早く病人を病苦より救い幸福にすることを祈り,かつ努力していることは申すまでもありません。医師は治療を,看護婦は看護をと,それぞれの仕事の分野をうけもち,いわゆる協力的立場にあるのです。したがって医師が偉いとか看護婦がダメだとかいうことはありません。それぞれのちがった立場にあるということです。けれども,医師の治療方針が立って看護婦が看護計画を立てますから,医師の指示をうけることは当然のことであります。医師の治療方針について干渉することはできませんが,看護婦が看護婦の立場から患者について症状の観察や,その他一般の報告について,もれなくしなければなりません。看護婦が意見を申しのべることは必要なことであります。
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