特集 綜合保健活動と医療機関
主題参加
公衆衛生活動と医療機関の結びつき
保健婦からの発言
中島 さと子
1
,
高橋 ミツ子
2
,
井出 そとえ
3
,
渡部 好枝
4
1郡上保健所
2大阪府成人病センター
3梅ヶ丘保健所
4園部町役場
pp.262-266
発行日 1965年5月15日
Published Date 1965/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203045
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わが国でも最近の疾病状況は欧米諸国と同様の傾向をみせており,罹病率や死亡率にも著しい差はなく,従って成人病対策としても欧米諸国の場合と共通点が多くなっているといわれております。医療の社会化,すなわち中隼以降の年齢層において病気が非常に多くなり,しかも1件あたりの罹病日数が長くなると,ひいては社会全体の生産制を阻害することが当然考えられます。さらに人口の老齢化がこれに拍車をかけるという事象から老齢人口を対象とする医療の社会化は必然であり,綜合的な予防,診断,リハビリテーションまでを一貫した体制が望まれます。当然,予防医学と治療医学との二面をとらえて,大きな意味の医学として了解することが現代社会における社会的要請であり,またこれに応えうる公衆衛生活動が為されなければならないと思います。特に農山村の現状から考えられますことは従来治療を主としている病院,診療所それから予防関係を主として担当する保健所,町村などの機関または,そこに従事する人たちが木当に結びついた仕事をしているでしようか,かりにそこに人間的な結びつきがあっだとしてもそれは継続的なものではなく,人事交代によって途絶することも考えられます。
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