みんなで考えよう—医師と看護婦の関係
医師とナースは仕事の分担について話し合いを
松村 はる
1
1慶応義塾大学医学部付属病院
pp.13
発行日 1963年6月1日
Published Date 1963/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911944
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医師と看護婦の関係は,御承知のとおり,医師は患者の診療にあたり,看護婦はその診療の介助と看護を行なう者となっております。しかしこの限界については往々にして問題となり,それぞれの病院の現状は複雑なものもあるようです。そしてまた現在多くの病院では看護婦の不足とともに医師もじゅうぶんな人員を確保しているとはいいがたいところでありましょう。このようななかで問題とされる業務が,慣習として看護婦が行なってきたものも多々あるわけです。このような業務については,一方的に云々することなく,医師と看護婦と,患者のために,互いの業務区分についてじゅうぶんな話し合いを行なって改めてゆきたいものと思います。
問題となった乳房マッサージを医師に依頼したとあることについても,看護婦が患者の乳房マッサージが必要であると考えられたその状態を,たとえば乳房の緊張が激しく疼痛も訴えているのですが,という報告であったとしたらよかったとおもいます。あなたも看護婦の務めは患者の病状をよく観察し,それを医師に報告し,指示をうけ,治療,処置にあたるのが基本的なありかただと書いています。そしてさらに行なった治療,処置後の観察,必要があればその報告ということでしょう。このルールはすべての看護婦が尊重し,守りぬかなければならないものと思います。
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