医学講座
痛風症について
御巫 清允
1
1虎の門病院整形外科
pp.55-58
発行日 1963年4月1日
Published Date 1963/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911907
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戦後あらゆるものに変革が目立つが,疾病の世界でも例外ではなく,整形外科に限って考えてみても,パローの仮性麻痺とか淋菌性関節炎など性病関係のものはほとんど姿を消し,今から述べようとする痛風とか椎間軟骨ヘルニアなどが浮かび上がって来た。しかしこれは戦前にもあったものが,診断技術向上のため注目されるようになったものと考えられる。
さて痛風であるが,これは欧米では非常に古い時代から知られてはいたものの,その本態が知られるようになったのは17世紀のことで,その詳細が明るみに出たのは1943年のことである。それまではときどき“忘れ去られた疾患”として浮かび上がっては消え,またしばらくすると浮かび上がるという不思議さを持っていた。
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