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看護婦不足対策に思う—《行政の立場から》
山田 里津
1
1三重県看護係
pp.46-48
発行日 1963年3月1日
Published Date 1963/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911882
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看護婦不足対策については,今さらここであらためて論を弁ずるまでもないが,地方における実状を披歴して,その深刻さを知っていただき,行政的立場にある者,現職にある者,看護学生として勉学している者,さらに医師をはじめとする医療従事者の方々とともに,今いちど考えてみて,地方看護行政のあり方について御指導,御批判を賜わりたいと思います。
三重県下における不足数は看護婦1,556,准看護婦702であるが,必要看護婦数を決定する要素は,病院の内容と職員の能力のうえに法的規制すなわち医療法に基づくものと社会保険診療報酬に定められている基準看護制によるものとがあるが,これらの要素を加味して算出した場合は,さらに不足数は増大する。16の准看護学校と3の高等看護学校の卒業者数はその需要を満たすに微々たる存在である。また,しかしながら現在より定数を増加し,学校を増校しても,希望者がなければ意味はない。魅力ある学校にするには,教育制度の改善がだいいちであるが,これは中央に任すとして,現実の問題と真向からぶっかっていこうと思う。
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