特集 肝臓病
重症(末期)肝臓病患者の看護
内田 郷子
1
1聖ルカ国際病院内科
pp.34-36
発行日 1963年3月1日
Published Date 1963/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911877
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肝臓疾患はいろいろな原因によっておこされ,それぞれに治療が行なわれるが,不幸にして昏睡にいたった場合に,その予後は昏睡の程度によらず,肝実質障害の程度によることが多い。いずれにしても肝性昏睡がおこれば,その原因と思われるものに対して治療の全力がそそがれるが,治療開始が早期であるほど予後の良好なことが認められている今日,肝疾患患者の状態観察と正確な医師への報告が,より早くみつけることになるので大事な点である。
肝性昏睡がおこる場合,その動きがはっきりと認められることもあるが,だいたいは肝疾患が悪化して行き,つまり黄疸指数の上昇で,著明な黄疸が急激にあらわれたりする時におこることがあるので,看護する場合も,毎日の皮膚,眼球結膜の黄疸の状態には注意すべきである。また,このような場合にしばしば誘因となるものがいくつかあげられている。
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