とびら
看護の三本の柱を
永野 貞
1
1厚生省医務局
pp.13
発行日 1963年2月1日
Published Date 1963/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911843
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米国に留学している同僚から便りがあって,その大学でポストグラジュエートコースをとっている10いくつかの国々のナースたちは,いずれも自国での看護教育の程度や社会的評価が高められている話を盛んにしているのに,なぜ日本からだけはそのような明るいニュースが聞かれないのかとなげいて書いてあった。
最近のわたしたちの周辺ではいろいろな点で近代的な勤労条件を満たしていない現在の看護職に対して魅力を失っているということも原因となって志願者は減少し,看護婦不足の声が高く,問題は高まって来ている。また現在の看護業務の実態からして准看護婦の身分や教育制度は再検討を要し,准看護婦が看護婦になる途がより広く開かれるため,保健婦,助産婦,看護婦法の改正案も用意されようという時期である。遠くにあって想いめぐらせば,いかにも案ぜられる状勢であろう。しかしその時期にあって,可能な限りの英知を集め,論議をつくしたのであれば,その結果に従うよりほかないのではなかろうか。単なる.傍観的批判で片づけることも,責任を他に転ずることもできないことだと思う。
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