グラビヤ
水俣病とその看護
櫓 楠子
1
,
岩本 千代香
1
,
吉村 芳子
2
,
太田 ハスエ
2
1熊本大学医学部付属病院
2水俣市立病院
pp.5-12
発行日 1963年2月1日
Published Date 1963/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911842
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昭和28年ごろより熊本県の南部水俣市に発生した水俣病は,昭和31に至って,爆発的の患者発生を来たし,広く世間の注目を集めた。本病は,集団的に発生したこと,魚介類を介して発病したこと,動物の発病が見られたこと,症状が激烈で重篤な後遺症を残すこと,死亡率が高いことなど,他に類例を見ない疾患である。本病は最初,脳炎なとの伝染性疾患を疑われていたが,その本態が不明なままに,奇病として現地の人々から恐れられていた。熊本大学水俣病研究班の多年にわたる研究の結果,その原囚が有機水銀中毒であることが明らかにされ,その成果は,昭和36年にローマにおいて開催された第7回国際神経病学会において発表され全世界の注目を浴びた。私どもは,態本大学附属病院および水俣市立病院において,病初より,本病の看護にあたり,つぶさにその実情に接する機会を得たので,写真をもって,本病の概略を紹介します。
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