特集 整形外科看護の諸問題
整形外科看護に必要な解剖生理の知識—起立と歩行を中心として
松本 淳
1
1東京大学整形外科
pp.13-18
発行日 1962年5月15日
Published Date 1962/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911619
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整形外科看護に必要な解剖生理の知識は,人体の運動器についての解剖生理の知識と一致するが,少い紙面で全般をのべることはできないし,また,解剖や生理の専門家でない私には読者の興味を失なわずに,要領よく要点を述べることもできない。そこで,ここでは,問題を正常の起立姿勢と,歩行にしぼって,人間の諸動作の基本となる起立姿勢と,歩行が行なわれるための,身体的基礎的条件を述べたい。しかも,それらの基礎的諸条件の重要さを理解するためには,それらが損なわれたところの病的状態と比較して述べた方が理解し易いと思われるので,病的状態の説明を先にした。しかし,言おうとするところは,正しい姿勢と正しい歩行ができるためには,人体にどのような条件が具わっていなければならないかということと,更に,立てない人,歩けない人を,立って歩けるようにするにはどうしたらよいかということである。
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