原著
結核患者喀痰の石炭酸反應(第1報)
横山 桂壽
1
1前橋醫學專門學校細菌學教室
pp.170-172
発行日 1948年2月25日
Published Date 1948/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401200253
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緒論
1946年沼田氏1)により,飯島氏が赤痢患者の粘液便中に赤痢菌特異の抗體を發見した旨の發表があつた。余は此の飯島氏の創見にもとづき,結核患者喀痰中に結核菌特異の抗體をもとめて.結核菌體成分抗原を用ひて抗體を探索中,結核患者喀痰の生理的食鹽水の浸出液と,6%石炭酸水溶液とが室温に於いて著明な白濁を生じ,健康者喀痰の浸出液とは何等反應を生ぜざる事を發見した。
其の後群馬縣立教員保養所患者50名に就き,當反應を試みた所,結核患者の中にも陽性に出るものと,出ないものとあり,反應陽性の喀痰を顯微鏡的に檢した所,其の大部分に結核菌を認め,反應陰性の喀痰中には全然結核菌は認められなかつた。
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