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国立病院における結核患者の状況(第1報)
野津 聖
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1厚生省医務局国立病院課
pp.766-769
発行日 1957年11月1日
Published Date 1957/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201289
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緒論
従来結核症患者の入院治療については,一種の専門病院である結核療養所への入院治療と,一般病院における一診療科の患者としての入院治療との両方が行われ,当然両者の間に,前者は全収容患者が結核症であり,後者は,他診療科の中の一部として結核患者が存在するという,概観的な見方からしても差異が認められるということは考えられるのであるが,何しろ252万人の要療養者に対し昭和30年においてさえも2万3千余床(第1表)しか病床がない現状においては,両者は共に同様の患者を収容し,又同様の治療を施しているのが極めて最近までの状態であつたと考えられる。
然るに第2表に示すように,近年年を追うて病床利用率が低下し,特に昭和31年には急速な低下を示した。この結果従来までは入院申込をして数カ月,はなはだしい場合には1年あまり待たないと入院出来ないというような状態が次第になくなつて,一応入院希望の期日には,入院可能(極く一部の病院療養所を除き)となつて来た。
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