特集 夏の衛生 夏季に起こりやすい疾病とその予防
皮膚科について
安田 利顕
1
1関東逓信病院皮膚科
pp.30-33
発行日 1961年8月15日
Published Date 1961/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911448
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1.アセモ(汗疹ならびに汗疹性湿疹)
小児に多い。暑い日,とくに湿度が高くてむしむしする日に,急に汗をかくと起こる。厚着をさせた幼児では,とくに多い。汗が汗管を通して,ヒフの表面に流れ出ないときにおこりやすい。これには,第1図のように,二通りある。汗口の直下に汗がたまつて,小さな水ブクレをつくつてくるものと,真皮から表皮にはいる部分に水ブクレをつくるものである。いずれにしても,アセモは,小さな水ブクレが全身にできてくるものであるが前者は白い水ブクレとして,後者は紅味をもつている。白いアセモと紅いアセモである。このちがいは,水ブクレのできる場所のらがいによるものである。
こういつたアセモでは,かゆみがほとんどない。ただ,乳児では,発熱することがある。ところが,この水ブクレが破れて,汗がヒフのなかにしみこんでいくと,かゆみが現われてくる。ひつかいているうちに湿疹化してくる(汗疹性湿疹)。
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