特集 夏の衛生 夏季に起こりやすい疾病とその予防
外科について
幕内 精一
1
1東京日赤中央病院第一外科
pp.24-28
発行日 1961年8月15日
Published Date 1961/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911446
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夏は山に海に,あるいは高原のハイキングに身体を鍛える絶好の季節である。近年レジャーブームにのつて老いも若きも盛んに出かけるようになつたが,楽しいレクリエーションも一寸した不注意から思わぬ不幸を招くことがある。したがつて夏に起こりやすい病気や外傷を知つておき,これにたいする応急処置と予防法などを理解しておくことは,われわれの務めでもある。
1.陽やけ
冬から春の生活をへて夏にはじめて海水浴に行つたとき,急に強い日光に長時間さらされると,とくにこの陽やけがはなはだしく悩みの種になる。皮膚は真赤になり,海水浴から帰つた夜は強い痛みで寝がえりも自由にうてないほどである。広範囲の皮膚が「陽やけ」したときは発熱することもあり,ときには重態に陥ることさえある。これは太陽光線のうら,紫外線が一番強く作用するためである。この紫外線は高い山ほど豊富であるから登山でも陽やけする。ただ,海水浴のように裸にならないので顔面,手など小範囲にとどまるので大したことはない。
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