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肝疾患の看護
早川 かつ
1
1大阪赤十字病院
pp.19-23
発行日 1961年5月15日
Published Date 1961/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911328
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I.はじめに
近時肝の機能の病態生理に関する研究が進み,また肝疾患の診断法が極めて多角的となり,肝機能検査,肝生検法などの有力な診断法が行なわれるようになつた。さらに治療に用いられる薬剤の進歩も目ざましいものがある。しかし一方,ここ十数年の死因統計によると,癌の増加は著しいものがあり,これは全癌の30〜40%を占める肝臓癌の増加をも意味している。戦後は流行性肝炎が多くなり,また肝硬変症も戦前に比し,戦後15年間に40〜50%の増加を示している。そしてこれらの疾患は臨床上,病院管理上,さらに公衆衛生の立場から重要視されているものである。
Ⅱ.肝臓の庇護
これは障害されている肝臓の負荷になる事項を除くことで,この目的のためには,①安静,②食餌療法,③便通の調整,の3項目が挙げられる。
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