内科診療最前線2007 この1年の動向を踏まえて
肝疾患
高橋 祥一
1
,
茶山 一彰
1広島大学 大学院分子病態制御内科学
キーワード:
Fluorouracil
,
Interferons
,
遺伝子型
,
B型肝炎ウイルス
,
肝細胞癌
,
肝臓移植
,
肝炎-B型-慢性
,
肝炎-C型-慢性
,
肝動脈内注入化学療法
,
核酸医薬
,
ラジオ波焼灼術
Keyword:
Fluorouracil
,
Hepatitis B virus
,
Carcinoma, Hepatocellular
,
Genotype
,
Interferons
,
Liver Transplantation
,
Hepatitis B, Chronic
,
Hepatitis C, Chronic
pp.967-974
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007068422
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B型慢性肝炎に対する治療は、若年者かつ肝線維化が軽度な症例を除き、核酸アナログの投与が第一選択となり、新規発売のentecavirは強力な抗ウイルス効果と低い耐性株出現率により、初回投与例の第一選択となる可能性が高い。B型急性肝炎では、本邦に存在しなかったgenotype Aの感染が著明に増加している。C型慢性肝炎の治療は、2004年12月にはじまったpegIFNα-2b+ribavirinの併用療法が、genotype 1b高ウイルス量症例には48週間、2b高ウイルス量症例には24週間の投与で、従来より高い著効率が得られている。肝細胞癌の治療は、早期例には経皮的ラジオ波焼灼術、高度進行例にはリザーバー肝動注化学療法、肝予備能低下例には肝移植術、と種々の治療オプションが開発されている。
©Nankodo Co., Ltd., 2006