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近代社会における人間関係
大内 経雄
1
1立教大学
pp.41-45
発行日 1961年1月15日
Published Date 1961/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911236
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近代社会の人間関係というものは民主主義の原理の上に立つているのであります。同じ人間関係でも封建的な人間関係は,主従という身分関係の上に立つて,自分のために都合のよいような人間関係を作るのです。しかし,人間がまだ個性にめざめない間はそういう主従の身分関係でも満足していたのですが一度人間が個性にめざめると,どんなに恩恵が厚くとも,自己を無視された生活には耐えられなくなります。カントは人間は人間を手段としてはならぬといいましたが,人間は自覚すると,自分を手段にされ人格の尊厳を傷つけられるような扱い方にはがまんできなくなります。われわれは,上下の人間関係も仲間の関係も,お互に相手を尊敬する人間関係をつくつて,楽しい職場をきづきあげたいものです。以下そうした意味から考えねばならぬ職場の人間関係について参考になることを実例的にのべてみました。
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