特集 世界の病院医療の動向
病院建築の近代化
長澤 泰
1
1病院管理研究所
pp.32-36
発行日 1977年9月1日
Published Date 1977/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206323
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戦後,わが国の木造の病院はつぎつぎと鉄筋コンクリート造に建替えられてきたが,実際には建物自体の耐用年限をはるかに下回る年月で再び全面的もしくは大規模な改築が行われている.最近新築された病院といえども,工事が完了した時点ですでに時代遅れといわれ,病院機能の恐るべき変化の速さに施設,設備面で取り残されないよう必死になっている観がある.1000床を越すベッドを抱え,職員を含めると何千人という人々を擁して動いている大病院も珍しくない.当然,高額の医療機器を導入し,ランニングコストも膨大なものになる.
さて,このような"病院の近代化"の傾向は,今後わが国にとって望ましいものなのでろうか.将来への予測なしに目前の需要を満たすことのみに追われてはいないだろうか.
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