ナースの作文
仁和寺,他
長沢 睦子
1
1国立宇多野高等看護学院
pp.40-44
発行日 1960年2月15日
Published Date 1960/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911036
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私は,仁和寺の境内がすきである。だからその日曜の夕刻も,そこに散策にでかけた。“徒然草”の中の,笑うにも笑いきれない“かなへ法師”の事件のもちあがつた寺院といえば,なにかすごく親しみやすい感じだけれど,実に堂々たる威風は何度行つてもその山門だけで圧倒されてしまうというのが本当である。
しかし無理に近々しいきもちで仁王さんの横を通り抜け,更にまつすぐ行つて中門をすぎるころは,すつかり環境や雰囲気に慣れてしまうのが常であつた。
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