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他臓器癌によるCushing症候群,他
pp.708
発行日 1962年8月20日
Published Date 1962/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202936
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下垂体・副腎腫瘍なしに,他臓器腫瘍でCushing症候群を呈した文献症例58例あり.胸腺腫18例,気管支癌22例,膵癌8例(うちラ島癌3),その他10例である.さて,Mayo Clinic 1932年以来Cushing症候群232例が記録されているが,下垂体・副腎以外の腫瘍22例を見出しうる.悪性腫瘍13例,良性腫瘍9例.悪性腫瘍は膵腺癌2.胸腺癌3(その1例は上皮小体腺腫合併)hypernephroma 3(うちmesothelio-ma合併1,髄膜腫合併1).耳下腺混合腫瘍1.甲状腺乳嘴状腺癌1.結腸腺癌2.悪性myoblastoma 1で,Cushing症候群と同時発現半数.クより先行2例.クより遅れた発生5例で,6〜21年おくれて発生というのは,Cushing症候群成立には直接関係はなかつたのであろう.その副腎は大部分hyperplasiaで,小腺腫形成が4例あつた.気管支癌というのが1例もないのは面白い.良性腫瘍合併は卵巣嚢腺腫1,皮様嚢胞1,気管支カルチノイド1.甲状腺良性腺腫3.甲状腺の腺腫合併は因果関係というより偶然の合併のように見える.その1例は副腎癌があつた.さて,他臓器癌にもとづくCu-shing文献症例58例のうち,48例は胸腺・気管支・膵の3臓器に限られている.
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