Japanese
English
文献
昏睡,他
neurosurgical emergency
Horsey, W. J.
,
Botterell, E. H.
pp.415
発行日 1961年6月1日
Published Date 1961/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406201076
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
外傷による昏睡の原因は,網様体ことに内側網様体の機能的形態的傷害にもとづくもので,半球挫傷が直接原因ではない。天幕上の血腫・膿瘍・腫瘍などは,患側脳を反対側に押し,反対側扁麻痺,視野欠損などの局所症状,やがて海馬回鈎嵌頓・脳幹圧迫を来して昏睡を招き,動眼神経症状を伴う。瞳孔散大は深い昏睡を示す。以上のような昏睡では先ずairwayないし気管切開で気道を確保し,酸素を十分与え,分泌物を除去する。それからレ線学的検査を慎重に行う。糖尿を合併しても処置しないでよい。深い昏睡は希望が少い。それほど深くなければ治療で除脳強直を呈する。30%尿素,低体温法は有効。半昏睡程度では常置カテーテルで排尿,チユーブ栄養,鎮静剤。損傷部位程度と経過を見て手術。以上の急性昏睡は早く手術して良い。潜伏期をおいてあらわれる昏睡ではまず硬膜外血腫があり,中脳動脈,硬膜静脈損傷にもとづくことが多いから,一刻も早く開頭すべきである。尚,硬膜を開いてみた方がよい。つぎに硬膜下血腫では,急性型は多くは動脈性出血で,側頭葉・頭頂葉破壊を伴うので,早く開頭する。亜急性型は3〜7目ごろケイレンと昏睡とがあらわれ,散瞳・半麻痺などを伴う。血管撮影を行つて診断をたしかめ開頭。慢性型は酒客に多く中年以後の男子に見られる。診断はレ線・血管撮影でもなかなか困難。頭痛・扁麻痺・人格変化ときに乳頭浮腫あり。
Copyright © 1961, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.