ナースの意見
協会への無関心の根元
清水 琴子
1
1国立名古屋病院
pp.51-52
発行日 1960年2月15日
Published Date 1960/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911038
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看護協会という名前を聞いて,自分が協会員でありながら実の所“親しみ”といおうか我家に対する身近かな感情を抱けないのは私1人だけなのだろうか?
現に看護婦として働き,協会員であるのに本当に恥しい,物淋しい,残念な話である。私の協会に対する関心が足りないのか,看護に対する情熱が足りないのか,職業意識の欠乏だろうか。看護協会の働きも知らない協会員であつても協会に接していない状態の私が協会に対して云々するのは恐れ多く,厚かましい恥しいことであるが,34年度看護総会に参加して,全くがつかりさせられ,ナイチンゲールは何と思うだろうと考えたのが正直な所である。総会で見た協会は上から下までグラグラで纏りのないものであつた。上に立つ人々が一生懸命に汗しているのに何故か軌道に乗らない,丁度砂の上に立てた家の様な脆さを感じた。上から下への働きかけと下から上への盛上りのなさそして,そのバランス,そして個個に個立しすぎているバラバラの人間の集い,これがいやに鼻についた。下から上への盛り上り,皆が力を合せて上へ上へと押上げて行く力の強さが必要と思つた。
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