助産婦学校を志す人達のために
保健指導の実際について
広瀬 美穗
1
1東大助産婦学校
pp.58-60
発行日 1960年1月15日
Published Date 1960/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661911022
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助産婦は,分娩介助の他に医師と協力して妊産婦及び新生児の保健指導という公衆衛生の一分野をも担当しております。将来助産婦として活躍しようとしている助産婦学生の立場から,外来,或いは病室に於ける保健指導の実際について今後の保健指導の在り方,又指導の成果の如何等について考えてみたいと思います。先ず妊産婦保健指導の特殊性と申しますと,それらは一般の疾病と異り,この場合は常に母と子の2人の健康が問題になつて参ります。ここで保健指導の必要性について最初に述べてみますと,その1つは,最近特に問題にされておりますのは,妊婦さんの体質でございます。体質の如何によつては妊娠分娩が過重となり,自然の現象とされていた妊娠分娩も,異常の経過をたどる場合もございます。そこで予防医学が必要になつて来るわけでごぎいます。私達助産婦は,それぞれの妊婦さんが正常な経過を経て妊娠分娩が終了されるよう,常に適切な保健指導をする責任を持つております。
第2の目的は,生活指導でございます。妊娠している期間は,正規産で満10カ月でございますが,これは相当に長い期間でありますので,この期間に精神的にも,又身体的にも楽にそして愉快に生活出来るよう,日常生活全般にわたつて指導する必要があり,御相談にのつております。
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