母性保健特集講座 正常産褥
保健指導の原理と実際—家族計画
古沢 嘉夫
1
1都立墨東病院産婦人科
pp.36-38
発行日 1964年8月1日
Published Date 1964/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202807
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墨東病院における家族計画指導の現況
産後の保健指導は重要であり必要であることはよくわかっていることであるが,じっさいにおいては,実行をはばむ多くの問題があるし,また,そのために,実行されているところがすくない.ことに現在のように施設に分娩が集中する傾向が年ごとにつよくなってくると,施設では分娩をあつかうだけで手いっぱいで,医師,助産婦の不足と相まって,保健指導は計画されていても,当分おあずけの状態になっているところが多い.
この慢性人手不足を理由にして,重要な保健指導をそのままにして放棄するわけにはゆかないので,私たちは,5年このかた,地域の開業助産婦の応援を得て,指導にあたってもらうことにした.私たちの開業助産婦の手をかりるというアイデアは,そののち実施されている,新生児訪問指導にさきだつものであるが,目的や方法の上にかなり大きい差があり,歩みよりは現状では困難なところがあるので,新生児訪問指導とは別のものとして行なっている.
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