特集 結核問題の展望
結核症の化学療法の一問題
岩崎 龍郞
1
1結核予防会結核研究所
pp.13-15
発行日 1954年5月15日
Published Date 1954/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661910012
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独逸の結核対策中央委員会のパンフレットが最近吾々の結核研究所に送られて来た。
喀痰に結核菌を沢山出している開放性の結核患者も化学療法をやると喀痰量が著明に減少すると同時にその中の結核菌もしだいに減少し,ついに繰返し培養検定をしても結核菌が見出されなくなる例を皆様はしばしば経験していることだと思う。独逸のこの委員会はこの事実を取りあげている。即ち化学療法終了時には,なるほど治療前に開放性であつた患者も閉鎖性になるけれども,治療後時日の経過すると共にしだいに又開放性になつて行くと事実を沢山あげている。従つて化学療法終了後には繰返し喀痰を検査してどうなつて行くか追及しなければいけないという注意をうながしている。
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