治療のポイント
肺結核の外来化学療法
岩崎 竜郎
1
1結核予防会研究所
pp.1181-1183
発行日 1964年11月10日
Published Date 1964/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200556
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外来化学療法を受けている結核患者数
結核の外来化学療法にはいくつかの問題があるけれども,現実に広く実施されており,またそれが必要であることは今さらあらためて述べるまでもない。日本でどの位の患者が入院治療を受けているかといえば,結核ベット数が25万でその80%が利用されているので約20万となるわけだが,昨年行なわれた結核実態調査によると,治療を必要としないようなものが3万以上も入院していることがわかり,治療を要する患者では16万人が入院していることがわかつた。またその実態調査で203万人の要医療の結核患者があること,そして46万人の要入院患者,31万人の在宅休業で治療を受けるべき患者があり,また働きながら治療を受けてもよいと思われる患者が126万人いるということが推定されたのである。しかし現実にこの患者全部が発見されているわけではなく,要入院の64%,在宅休業の44.5%,就業治療の27.9%が発見されているにすぎないこともわかつた。計約80万人の患者が発見されているのだが,その中の37%は治療を受けていないのである。したがつて治療を受けている48万人中16万が入院しているとすれば,32万人が治療を要する患者として,昨年実態調査の時点で外来治療を受けていたわけである。しかしこの他に外来で治療を受けていたのは23万人ばかりあつたのであるが,これらは半数以上結核病変なしで,他の約半数はもはや治療不必要と思われるものであつた。
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