治療のポイント
結核化学療法をどこで打ち切るか
岩崎 龍郎
1
1結核予防会結核研究所
pp.434-436
発行日 1970年4月10日
Published Date 1970/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203044
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
基本となる3つのポイント
肺結核の化学療法を打ち切る時点は次の3つの成績が基本になって定められている.1つは化療によりいつまで病変の改善が続くかの事実であり,第2は化療の継続期間別に治療を中止した後の悪化頻度の成績であり,第3にそれらをおぎなうものとして,いろいろの期間化療をやった後に切除された病巣内の結核菌培養成績がある.
第1については最も検討しやすいので参考資料にこと欠かない.化学療法の歴史が示すように,病変のX線的改善は化療4カ月より8カ月が,8カ月より1年のほうが進んでいるので,化療期間はしだいに長期化した.しかし多くの例では改善は1年ないし1年半で停止する.このような事実から結核化療の最短継続期間は1年ないし1年半という国際的な考え方が生じたのである.
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.