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看護重宝事典(40)—冷蔵庫の話
沼畑 金四郞
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1東京文化短期大
pp.44-49
発行日 1955年9月15日
Published Date 1955/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909913
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電気冷蔵庫の特性
食品類の腐敗変質の温度は10℃から40℃までの間とされる。この範囲内で腐敗の原因をなす細菌の繁殖が活溌だからである。特に30℃から36℃くらいが一ばん烈しいといわれる。そこで完全に食品類を保存するには10℃以下に保つことが有利である。病院や家庭で冷蔵庫を利用するのがこのためであるが,しかし氷冷蔵庫はたとえ氷を充分に入れても10℃以下に保つことは仲々困難で大抵10℃以上,氷がどけて少くなるにつれて,12℃以上16℃か17℃くらいまでも温度の昇るものは少くない。しかし電気冷蔵庫はその構造の上から,5℃内外を確実に保ち,これ以下になると電気がひとりでに切れて休み,又5℃以上になると再び自動的に電気が通つて5℃以下に引き下げるという働きをするので極めて安全.又電気代もむだにならぬので可なり低廉である。例えば家庭用の5立方呎中型の200ワツトのもので1日のうち1/4〜1/5の5〜6時間しか電気が使われないので電力量も
200w×5h=1000wh
即ち1日1000ワツト時,1KWHにすぎないから,電気料金も1日分10円内外とみてよい。5立方呎の氷冷蔵庫は1日の氷は約2貫匁で,50円はかかるから,電気代は氷代の1/5という軽費である。
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