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女の十二ヶ月—一月・雪と女
村田 修子
pp.31-33
発行日 1955年1月15日
Published Date 1955/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909728
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雪が降つてくると,そして,その雪をみていると,いつの間にか,なつかしい思い出のとりこにされてしまいます。それは雪が郷愁を運んできてくれるからでしようか,それとも,雪は天から降つてきて地に落ちるとやがては,はかなく消えてしまうものだから,一そう,なつかしむ感情をそそられるからでしようか。
ともあれ,雪景色の中の出来事や,雪の風景をもつ思い出や,それから雪をうたつた詩歌などには,殊更に沢山,なつかしい思いがふくまれているように思われますけど,それは私だけなのかもしれません。
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