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看護業務の機械化—看護婦室と病室を結ぶインタホーン
加倉井 駿一
1
,
小井土 可禰子
1
1厚生省国立療養所課
pp.33-37
発行日 1953年7月15日
Published Date 1953/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909366
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まえがき
病院,療養所の看護業務が終戦後華かに脚光をあびて,世の注視を受げるようになつた。医療法に於ても入院患者4人につき1人の割合という規定が作られ,又社会保険診療報酬でも「完全看護」という形によつて入院料に区劃が設けられ,患者への附添がおらずに病院療養所の医療要員のみによつて,その看護が行われるのが奬励されている。このような傾向にもかかわらず,看護婦制度の度重なる改変の連続で,看護婦の絶対数は現在のところ病院療養所等の医療施設の必要を完全に充たすまでに至つていないようである。
而も治療法の改善等によつて,看護内容も複雑化し,前記の患者4人に1人の看護婦数で果して患者に診療上の満足を与えうるかどうかは,今にわかに判然しない。そして更に再検討を要するものがあると思われる。まして未だ看護婦数が規定されていないが,結核療養所では7人の患者に1人の看護婦で間にあうというようなことも言われているが,これではたして大気,安静,栄養療法以外に最近の趨勢に見るように外科手術による積極療法が実施せられて来た結核療養所に於ける看護が患者の治療に満足をあたえられるであろうか疑わざるを得ない。
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