昨日の患者
病室での忘れ物
中川 国利
1
1宮城県赤十字血液センター
pp.1382
発行日 2016年11月20日
Published Date 2016/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211420
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病院には社会を構成する様々な市民が入院し,闘病生活において様々な人間模様を展開する.われわれ医療従事者は診療を介しながら,患者さんや家族が繰り広げる人間模様を垣間見ることになる.
20年前の事例であるが,たまたまベッド傍の机の引き出しを取り除くと,机の底からたくさんの見舞い封筒を挟んだ手帳が出てきた.手帳には持ち主の名前は記入されていなかったが,1年ほど前の日時で入院中の出来事が事細やかに記載されていた.そして同時期に同病室に入院していた患者さんのなかから,Sさんが割り出された.
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