醫學のあゆみ・19
ミネラル—微量鑛物質の作用
杉 靖三郞
pp.21
発行日 1953年4月15日
Published Date 1953/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661907275
- 有料閲覧
- 文献概要
鐵が,血色素の成分であることは,一般によく知られているが,鐵のほかにも,元素として生活體の生理作用をいとなむために重要なものが,いろいろある。銅,亞鉛,コバルト,マンガン,弗素など,みな大切な役目をになつている。
細が缺乏すると人では,まだ知られていないが,牛などにはひどい貧血がおこることが知られている。南アフリカでは“倒れ病”(falli—ng sickness)とよばれる牛の病氣があつて貧血をおこして,倒れやがて死んでしまうことがある。もう20年ほど前になるが,原因をしらべてみたら,その牧場の草に銅が缺乏していることがわかり,牧場にまく水に微重の硫酸銅をまぜてやつたところが,この病氣から救うことができた。それ以來いろいろな微量元素について重要さが知られて來た。
Copyright © 1953, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.